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スーザン・ソンタグ「この時代に想うテロへの眼差し」(NTT出版)。昨年のニューヨークでのテロを受けて発表された文章と、サラエヴォで「ゴドーを待ちながら」を上演したときの顛末を記した文章、大江健三郎との往復書簡、そして2つの講演録が収められている。いちばんおもしろかったのは、サラエヴォの話。砲撃と欠乏のなかでのゴドー。それは、私たちにとって「芸術」とは何なのかという問題を浮かび上がらせてくれる。
スーザン・ソンタグについては、今まで何冊かの本を読んで、「一枚岩な人」というイメージが強くて何となく敬遠していたけれど、この本で私のなかの人間像の幅が広がって、興味をひかれた。
それにしても、大江健三郎という人は、彼に向き合う人から彼と同じような誠実さと真摯さを引き出すという点で、たいした人だと思う。私たちの彼にたいする態度は、彼のようである(あろうと努力する)か、さもなくば、大江なんて存在しないと知らんぷりを決め込むしかないしかないように思う。
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