■2005.10.13
デザイナー小泉誠の本。白くてかわいらしい本。TOTO出版刊。作品の写真とその解説、には違いないのだが、自身の解説の、その言葉使いが、一般の視点から決して離れない。「一般の」というのは、デザイナーという職業ではないということでもあるが、人生の土台をつくるものとして、生活の場を持ち、おいしさや温かさや快適さを味わい、ものを買ったり、使い古したり、壊してしまったり、という経験の蓄積が自分のなかにある人、という意味。そこから離れない、ということが、このデザイナーの最大の強みなのかもしれない。「どうしてこういう形をしているのだろう」「もっと、こうだったらいいのに」。そんな心の働きに従うことから、デザインのジャンプ力も生まれる。
ちょっと変わったタイトル「と/to」というのは、デザインというものは誰かとどこかでするものであり、それを何かへ、何かのためにと、繋いでいくものだ、という小泉の考え方から。
で、この本の最大の特徴は、ページをめくるごとに、本をくるくる回しながら読む構造になっていること。文字の向きが順繰りに変化してゆくのだ。使うほうに、そんな思いがけない運動を強いてしまうところが、さすが。著者やデザイナーが楽んでいる様子や、印刷や製本の人たちが戸惑っている様子が目に浮かんで、ちょっとおかしい。
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