100万回生きたねこ
佐野洋子 作・絵
講談社 1300円

おとなになること
100万回生きたねこ
ふわふわしっぽと小さな金のくつ
カボチャ ありがとう
よあけ
よるくま
わたしとあそんで
ムッシュ・ムニエルを
ごしょうかいします

ふゆめ がっしょうだん
魔法のことば
コッコさんのともだち
100まんびきのねこ
プンク マインチャ
ゴムあたまポンたろう
月夜のオーケストラ
わたしは わたし
もじゃもじゃペーター
永い夜
 100万年もしなないねこがいました。
 100万回もしんで、100万回も生きたのです。
 りっぱなとらねこでした。
 100万人の人が、そのねこをかわいがり、
 100万人の人が、そのねこがしんだと なきました。
 ねこは、1回もなきませんでした。

やわらかそうな毛。グレーと白の縞模様。太いしっぽ。
心の奥まで見すかすような青い目をこちらに向けた
立派なとらねこの絵とともに、
この本は、こんなふうにして始まります。
この本は、多分、日本中でいちばん多くの大人の涙を
さそった絵本でしょう。
「100万回生きたねこ」を読んで泣いてしまった
そういうふうに打ち明けられたことが何回かあるのですが、
そんな時は、どの人もみんな、
何だかとっても澄んだ目をしていました。

物語のおしまいで、とらねこが流す涙は、
私たちの心にすうっと、しみ渡っていきます。
泣いて泣いて100万回も泣いてしまうとらねこの涙は
「こんなに悲しいことはない」っていうくらい悲しいのに、
なぜか不思議にさわやかなのです。
ねこが好きな人はもちろん、
ねこが嫌いな人も、ぜひ読んでみてくださいね。