よあけ
ユリー・シュルヴィッツ/作・画
瀬田貞二/訳
福音館書店 1117円

おとなになること
100万回生きたねこ
ふわふわしっぽと小さな金のくつ
カボチャ ありがとう
よあけ
よるくま
わたしとあそんで
ムッシュ・ムニエルを
ごしょうかいします

ふゆめ がっしょうだん
魔法のことば
コッコさんのともだち
100まんびきのねこ
プンク マインチャ
ゴムあたまポンたろう
月夜のオーケストラ
わたしは わたし
もじゃもじゃペーター
永い夜
国境をこえて愛される音楽に触れたとき、
時代をこえて生き続ける絵に出逢ったとき、
心のなかの、もっとも奥深い部分が
じんわりとしびれるように感じたことはありませんか。
あるいは、何か大きなものに包まれて
自分が透明な存在になったような気がしたことはありませんか。

「よあけ」というこの静かな静かな絵本は、
私たちの感覚を無限に押し広げてゆきます。
ページをめくるたびに、かすかな物音に耳をそばだて、
空気に潜む水滴や風のそよぎを肌に感じ、
光の揺れ具合に目を凝らします。
太陽の最初のひとすじの光が射しこむ、この瞬間。
この崇高さは、自然そのものの姿であり
同時に人間の魂の原初の姿でもあるように思われます。

 おともなく、
 しずまりかえって、
 さむく しめっている。

光のグラデーションがにじむ絵と、
絶妙のハーモニーを奏でることばの力。
この美しい絵本が、すばらしい日本語にめぐまれたことを、
心から祝福したいと思います。