
よあけ
ユリー・シュルヴィッツ/作・画
瀬田貞二/訳
福音館書店 1117円
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国境をこえて愛される音楽に触れたとき、
時代をこえて生き続ける絵に出逢ったとき、
心のなかの、もっとも奥深い部分が
じんわりとしびれるように感じたことはありませんか。
あるいは、何か大きなものに包まれて
自分が透明な存在になったような気がしたことはありませんか。
「よあけ」というこの静かな静かな絵本は、
私たちの感覚を無限に押し広げてゆきます。
ページをめくるたびに、かすかな物音に耳をそばだて、
空気に潜む水滴や風のそよぎを肌に感じ、
光の揺れ具合に目を凝らします。
太陽の最初のひとすじの光が射しこむ、この瞬間。
この崇高さは、自然そのものの姿であり
同時に人間の魂の原初の姿でもあるように思われます。
おともなく、
しずまりかえって、
さむく しめっている。
光のグラデーションがにじむ絵と、
絶妙のハーモニーを奏でることばの力。
この美しい絵本が、すばらしい日本語にめぐまれたことを、
心から祝福したいと思います。

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