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人が語る。自分を語る。
ここにご紹介する3冊は、すべて「語られた言葉」によってできあがっている本です。現れた訪問者に「あなたのこと、聞かせてください」と問われて、語られた言葉。「自分について話す」というのは、一見難しいことのように思えますが、上手にきちんと聞いてくれる人さえいれば、誰でも自分を語る言葉をもっているものなのです。
外国に住む日本人108人への聞き書き、『「在外」日本人』。著者は、日本人を捜して文字通り世界中を訪ね歩いたその後で、改めてこう記しています。
一番驚いたのは、自分と自分の体験について
これほど豊かに語る日本人がいる、ということだ。
この旅で私が出会った人々は、絶えず「私とはなにか」
「私はなぜここで生きるのか」と自らに問い続けていた。
滞在国、滞在年数、その国へ来た理由、仕事、収入、すべて千差万別。共通しているのは、日本人ということだけ。異邦人の立場で眺めたこの世は、日々自分を確認することを強いられていない私たちのそれとは、色も温度も、何もかもが違っています。
そして、10才から15才を中心にした174人の子供へのインタビュー集が、『子供!』。
かれらをめぐる状況がどんなに管理化され、
画一化されようとも、
子供たちは自分のこころとからだで、
自分が本当に生きているのだという
実感をつかもうとすることをやめない。
夢見るような幼年時代から半歩抜け出て、自分と社会を客観的に見つめる大人の視線を獲得しつつある年代の子供たち。言い回しにあどけなさを残してはいても、どのページにもハートに響く言葉があふれています。それが大人であろうと、子供であろうと、ドラマティックな出来事であろうと、平凡な日常についてであろうと、「生きた言葉」というものは常に聞く者の精神を目覚めさせてくれます。人が生きているというその手触りが、私たちに力を与えてくれるのです。
一方、『二十歳(はたち)の頃』()は、有名無名、さまざまな人が登場し、自分が20才の誕生日に何をしていたかという回想を出発点に青春を語ります。
戦争があったり、高度経済成長があったり、学生運動があったり。けれど、この本の本当おもしろさは、違う所にあります。この本に収めれらたインタビューはすべて、「調べて書く」というテーマの東京大学での立花隆ゼミの習作として行われたものなのです。取材のアポを取り、インタビューし、原稿にまとめる。現実社会との衝突、仲間との共同作業、師匠立花の叱咤、文章との格闘。有頂天になったり右往左往する彼らの姿が、ページのそこかしこに見えて、二重のドキュメンタリーになっているのです。現代の二十歳。現代の東大生。あなたは、どう読むでしょうか?
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