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春の庭で考える
日が照っている、日が照っている。それは魔法。
花が育っていく、根がのびていく。それは魔法。
生きていることは魔法、強くなることも魔法。
魔法はぼくのなかにある。
「秘密の花園」
庭というのは、人の心に似ているかもしれません。
ある時は花を咲かせ、ある時は実を結ぶ。
手をかければ豊かに肥え、おろそかにすると荒れ果てる。
けれど、ほんの少しの水や日の光さえあれば、
いつでもぬくもりを宿すことができるのです。
人間の夢と記憶、願望と希望、比喩と象徴は、
庭園の様相を呈している。
人間は、鎮めがたい憧憬として心に浮かんでくるものを、
かなえられない世界を、永遠にであれ束の間であれ
実現するために、庭をつくる。
「情熱の庭師」
例えば、このドイツの詩人は、人間の源を「エデンの園」という
ひとつの庭に見出します。
そして、小さな宇宙の中に大きな宇宙が宿るという中国の思想を
ひもときながら、盆栽という極小の庭を考察するのが「盆栽の宇宙誌」。
実際、自然の再現は、それが現実の尺度から
遠ざかれば遠ざかるほど、神話化され伝説化される。
天地のあらゆる精髄と、すべての存在をことごとく包んでいる
庭園を設けること、それはすでに魔術である。
「盆栽の宇宙誌」
そう、庭は、秩序をもったひとつの宇宙なのかもしれません。
この小さな宇宙の中で、植物たちと思いがけない出会いを重ねながら
人は、世界や精神や神秘を旅するのです。
晩年、多くの時間を庭で費やしたというヘルマン・ヘッセ。
庭のかたすみで見つけた小さな草木に対する静かな愛情にあふれた本、
「庭仕事の愉しみ」は読む者を、彼の小さな宇宙「庭」へ誘ってくれます。
土と植物を相手にする仕事は、瞑想するのと同じように、
魂を解放し、休養させてくれます。
「庭仕事の愉しみ」
庭仕事は、不思議な力で人を夢中にさせます。
ひとたび庭のとりこになった者は、
容易にそこから抜け出すことはできないのです。
カレル・チャペックのこの本は、そんな園芸マニアの悲哀を描いた
ユーモラスな本として、長く愛されています。
四月、これこそ本格的な、恵まれた園芸家の月だ。
恋びとたちは、かってに彼らの五月を謳歌するがいい。
五月は単に草木が花をひらくだけだ。
ところが四月には、草木が芽吹くのだ。
うそは言わない。このシュートと、蕾と、芽は、
自然界における最大の奇蹟だ。――このことについては、
これ以上もう、わたしはなんにも言わない。
「園芸家12カ月」
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