ひとりの子供が、赤い毛布(けっと)に
くるまって、
しきりにカリメラのことを考えながら、
大きな象の頭のかたちをした、 雪丘のすそを、
せかせかうちの方へ急いでおりました。
(そら、新聞紙をとがったかたちに巻いて、
ふうふうと吹くと、 炭からまるで青火が燃える。
ぼくはカリメラ鍋に赤砂糖を
一つまみ入れて、それから
ザラメを一つまみ入れる。
水をだして、あとはくつくつくつと煮るんだ)
ほんとうにもう一生けん命、こどもは
カリメラのことを考えながら
うちの方へ急いでいました。
----宮沢賢治「水仙月の四日」

「注文の多い料理店」(角川文庫)のなかの、このお話は、いちめんを雪におおわれた、まっしろな世界のお話です。雪婆んごや、雪狼(ゆきおいの)や雪童子も登場します。自然の持つ透明な美しさと、生き物の持つ小さくても確固たる熱が、心に残る物語です。
純白の雪原をわたる、小さな赤い点。そして、銅鍋で煮るカルメラの黄金色。あつあつのカルメラは、とろとろになった情熱のかたまり。
雪童子たちの会話には、同じくザラメから作る綿菓子も出てきます。
「注文の多い料理店」
宮沢賢治
角川文庫

ホワイトアスパラガス 甘いオムレツ 黒豆の納豆 蛸しゃぶ 朝のスウプ 麦チョコ アイスクリーム
 ウォッカ・トニック オレンジと熱いコーヒー シナモンロール カリメラ 神様にささげるごちそう 葛の花のジャム
しょうがクッキー 葡萄酒とウエーファー ジンとレモンの熱い一杯 ダイコンのおみおつけ