トントン、トントン、トントントン……
お勝手で、おかあさんが、おみおつけの
ダイコンを切っている 音がしました。
ノンちゃんの、胸が、なんということもなく、
うれしさでぷうとふくれました。
まな板の上にもりあがる、水けをふくんだ、
まっ白い、四かくい、
ほそい棒の山を心に描きながら、
ノンちゃんはもう一度、
目をつぶって、ぼうと、朝寝のあと味をたのしんでいました。
----石井桃子「ノンちゃん 雲に乗る」

だいこんのおみおつけが作る、ふっくらとした幸福。それを知っている人と知らない人の人生は、どんなふうに違うのだろう。ふと、そんなことを考えさせられる。
ノンちゃんがまだ生きているのなら、今頃、一体何をおいしいと思っているのだろうか。
「ノンちゃん 雲に乗る」
石井桃子
福音館書店

ホワイトアスパラガス 甘いオムレツ 黒豆の納豆 蛸しゃぶ 朝のスウプ 麦チョコ アイスクリーム
 ウォッカ・トニック オレンジと熱いコーヒー シナモンロール カリメラ 神様にささげるごちそう 葛の花のジャム
しょうがクッキー 葡萄酒とウエーファー ジンとレモンの熱い一杯 ダイコンのおみおつけ